0センチの境界線


「おいおいおい!怒んなって!別に山之上さんだけに聞いてねえから!
目ついた女の子には全員聞いたから!手出してねえから!な?」

「怒ってねえよ、お前の軽さにビビってんだよ」



女には片っ端から声をかける。
佐々木は誰よりも軽い男だ。



「男ってモンに免疫がないから、わかんないんだよ。
部屋に行くことがどれだけ危険かーとか。部屋に招き入れることがどれだけ危険かーとかさ」

「……………バカかよ、防衛能力皆無じゃん」

「いいじゃん、ウブで。かっわいー!」



可愛いで済む問題じゃねえ。
死活問題だわ。



「それとさ、俺はいい線いってるとおもうよ 」

「…………は?」

「お前と山之上さん」


< 119 / 288 >

この作品をシェア

pagetop