0センチの境界線


共有スペースの冷蔵庫までなんとかたどり着いてから。
アイスをまさぐった。


…………………ない!?え、ない!?いや、そんなわけ、でも、ない!?



「……山之上さん?」

「っ、あ、前田くん」

「どうしたの?」



立ち尽くすわたしを不思議そうに見つめる前田くん。

いつの間にか共有スペースにいたみたい。

アイスに夢中で足音何にも気づかなかった。



「アイス、食べたかったんだけど。ないんだよね、」

「あー、前にヤマさんがみんなにって入れといてくれたやつ?」

「うん、そー」

「なくなったんだね、多分」


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