0センチの境界線


「あんなに食べたかってたから、買ってすぐ歩きながら食べると思ってた」

「前田くんわかってないなー、涼しいとこでアイス食べないと意味ないんだよ」



前田くんとの会話は楽だ。

かっこいいし。ってそれは関係ないけど。


実はそんなに男の子が得意なわけじゃない。

なんでかわかんないけど、飛鳥とは話すようになって、今に至るけど。

入学式の時に話しかけてきた謎のちょっとかっこいい人、すんごい怖かったし。

男の人って何話していいかわかんないから、弟以外の男は基本的に苦手。



でも、前田くんは話しやすい。

1年以上、扉はあるけど一緒の空間に一応居て、ご飯も定期的に一緒に食べるからかな?

他人って感じがもうなくて、兄弟?なんだろ?そんな感じ。



「あ、ていうか。ごめんね、前田くんに袋持たせてた」

「いーよ、だって俺が買ったから」


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