0センチの境界線
「ハシ先輩!おはよーございます!」
俺の方見てたのに。
一瞬で雛の興味を奪ったハシセンパイとか呼ばれている人は、たしかにやたらと綺麗な人だった。
3号室から優雅に出てきて、優雅におはようっていう姿は、怪獣とは正反対。
「雛ちゃんおはよう。あ、隣の人は5号室くん?」
「………あ、そうっす」
「わたし3号室の橋田って言うの。ココにいる間はよろしくね〜」
「………ども」
ニコニコ笑って、フワフワ喋って。
俺の目の前に座った橋田さんは、なぜか俺と雛を見比べて楽しそうに笑ってる。
………なんか掴めねえ人だな。