0センチの境界線


「んぇっ!?」


上擦った可愛くない声がでる。

話の脈絡ってやつ、飛鳥どっかに置いてきたのかな。



「前田のこと、好きなの?」

「っ!?な、なんで急にそんなこと答えなきゃ…」

「勉強、教えてほしいんだろ?」

「うっ………」



勉強教えることと、前田くんが好きかどうかってなんにも関係ないのに。

飛鳥って意味わかんない。意味不明!

抗議するように飛鳥を睨んでみたけれど、真っ直ぐに視線を返されただけで、何の解決にもならなかった。



………………仕方ない。答えるしかないみたい。

前田くん。かっこよくてポスターにしたいくらいにアイドル。

すんごい賢くて、わたしとは住む世界違うなーって何度も思った。

だからこそ、こうしてたまたま同じときにココに住んで、たまたまゲームして遊ぶようになって、仲良くなれたこと、奇跡だって思ってる。


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