0センチの境界線
長かった地獄のテストが終わった、テスト明けの帰り道。
今日の気温は35度を超えてたから、外の部活はお休みなんだって、隣の飛鳥が嬉しそうに言う。
「って、なんでわたしは飛鳥と一緒に帰ってるの!?」
ガタゴト揺れる車内で。
流れのまま一緒に帰ってしまっている飛鳥をひと睨み。
「部活ねえから、」
「なくてもやって」
「お前、殺す気か?」
「そうとは言ってない」
女のコの視線が痛い、ような気がする。
実際はわたしのことなんてなんにも気にしてない人の方が多いって知ってるんだけどね。
飛鳥の隣にいると、なんとも余計なことが目に付くのだ。