0センチの境界線


「テストの出来は?」

「まあまあかなあ。夏休みが補習で潰れる、なんてことはないと思う」

「俺のおかげか、」

「違う。前田くんのおかげ」



飛鳥は確かにあの夜わたしに勉強を教えてくれた。

けど、それが身になったかといえばよくわかんない。

半分以上、テトリスの記憶しかないし。





「なあ、雛、」



家帰ったら何しようかな。

もうすぐ夏休みだし、なにか始めてみようかな。

あ、パズルとかいいかも。没頭できるのって結構いいし。


出かけるの面倒だけど、今日はこのままお買い物行こうかなあ。

パズル買ったり、かわいい髪飾り買ったり──────




「付き合ってくんない?」

「っ、へ?」


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