0センチの境界線
「まだ、ですね」
「そっか〜。じゃあ、心しないとね」
「………どういうことですか?」
「まあ、すぐわかるよー?ねえ、雛ちゃん」
「………?あ、ふぁい!」
おい、お前ぜってえ聞いてなかっただろ。
口の端にジャムつけて、どんだけ一気に口に入れようとしてんだよ。
リスみたいに頬を膨らませて、食パンを一生懸命咀嚼する雛は、学校の雛にわをかけて子供っぽい気がして少し笑える。
「………雛、口の端ジャム」
「えっ、ジャム?」
「右」
「こっち?」
「ちげえよバカ!そっち左」