0センチの境界線


だけど、歩く度に触れる肩、とか。

わたしに歩幅合わせてくれてること、とか。

わたしが濡れないようにわたしの方に傘を傾けてくれてること、とか。

全部がかっこよくて、全部にドキドキする。
こんなの、わたしじゃない。



「もう嫌だ……」

「なにが?」

「あっ、こっちの話…」



心臓もたない。ドキドキうるさい。
周りの目ばっか気にしてた時がもう思い出せなかった。

飛鳥のことしか見えないし、飛鳥のことしか考えれない。


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