0センチの境界線


「何持ってんの?」

「な、なにも持って、ない」

「は?持ってんだろ」


「これは、あの、決して勉強しようとか、そういうのじゃなくて、あの、ハシ先輩から、借りただけで、あの、恋愛のことわかんないからとか、そういう邪な変な感情は持ってなくて、えんと、」

「勉強?借りた?」

「わーーー!なんでもない!」

「…………意味わかんねえ、」



なんでこんなに怯えてるわけ?
てか、まだ熱あんの?
なんでそんなに顔赤いの?



「あの、飛鳥クン…………」

「クン…………?」



なんじゃそりゃ。
初めて呼ばれた。


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