0センチの境界線


「わたしたち応援してるの。宮くんカッコイイけどファンとかじゃないから、言っちゃっても大丈夫だよ!」

「だ、大丈夫って言われても………付き合ってない、よ?」



そう、非常に残念なことに、わたしと飛鳥はお付き合いしていない。



「えええ!?どうして!?」

「ど、うしてって………」



……………わたしは好きだけど、飛鳥はわたしのこと好きじゃないし。

いま絶賛、少女漫画で恋愛テクニック勉強中だし。



「宮くんといちばん近い距離なの、山之上さんなのに!」

「あ、あはははは……」


近い距離、か。

いくら近くても飛鳥のタイプは、スレンダー美女で先輩で。

わたしとは正反対。いくら近くにいたってタイプはひっくり返せない。


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