0センチの境界線


「もうこんなこと、ねえから。二度とこんな思いさせねえ」

「…え?」

「雛のことは、俺が守る」

「……っ…」



俺が守る。

飛鳥の声が、何回も何回も頭にこだまする。



「ねえ、なんか言ってくんない?恥ずいんだけど、」

「あっ、いや、わたしも、守る、よ…?」

「は?」

「えっ、あ、ちがう?」

「ちげえよ、バカ」



頭がショート寸前。

話してることが、自分の言葉が、遅れて認識されてる。


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