0センチの境界線
「ハハハ、ハハ、ハシ先輩!」
ドーン、と。帰宅した瞬間にハシ先輩の部屋の扉を開ける。
部屋の中でくつろいでいたハシ先輩は、一瞬びっくりして、それから笑った。
「雛ちゃん、そんなに焦らなくてもわたしは逃げないよ〜?」
「ち、がうんです!はやくしないと、その、記憶が曖昧になるというか、あの、」
「うんうん、とりあえず、どうしてジャージ?それも5号室くんの?」
「あっ、これは、制服水で濡らされちゃって、借りました。それより、」
「………うーん、わたしはその方が気になるんだけどなあ?」
ハシ先輩のお部屋はいつもいい匂いがする。
もちろんそこにいるハシ先輩からもとってもいい匂い。
と、今はそんなことはどうでも良くて。
それよりも、経験豊富なハシ先輩に聞かなきゃいけないことが。
「こここ、こ、告白ってなんですか!?」