0センチの境界線


琴音となぎちゃんには、心配かけたくないし、昨日のことを詳しく話せてない。

というか、わたしにとって水かけられたことなんて遠い昔で、6限に戻った時には飛鳥の言葉で頭いっぱいだったから。

うまく説明できなかった。



「あ、もしかして、色つきリップもつけてる?」

「じ、実はそうです、」

「えええ!なに、なんなの!可愛すぎるから、」

「いや、あの、琴音っ!?抱きつかないで!?」



久々に琴音の愛のギューを受けたわたしは、軽く窒息しそうになりながら、何とか息をする。

琴音の肩越しに、わたしよりちょっと早く学校に来ていた飛鳥と目が合って。

すぐに視線を逸らす。

今日は別々に学校に来た。なんとなく。


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