0センチの境界線
心臓がうるさい。
なのに、飛鳥はいつも通り。
ちゃんと迎えに来てくれた。
だから、昨日のは空耳じゃなかったって思う気持ちと。
いつも通りの飛鳥すぎて。
やっぱり都合のいいように、飛鳥の言葉改ざんしたんじゃないかっていう不安な気持ちで心がいっぱいいっぱい。
「ずっと寝てたわけ?」
「わ、かんない、寝てたのかも、」
「ふーん」
飛鳥のほう見れない。
声も手も全部震える。うまくノートがしまえない。
なんでそんなに飛鳥はいつも通りの声音なの?
やっぱり昨日のって夢?
聞きたいことがいっぱい浮かぶのに、なんにも聞けない。