0センチの境界線
真っ赤な夕日が窓から差し込んでた。
なんか前にもあった気がするって、冷静な頭が言ってる。
思わず振り向けば、飛鳥はすんごい近距離にいて。
後ずさろうとしたわたしの腕を握る。
「雛のことが好き。ずっと好きだった」
真っ直ぐな黒い瞳から逃げられない。逃げたくない。
心臓が意味わかんないくらいはやく動いてる。
「ほんとはもっとかっこいい言葉並べたかったんだけど。ごめん。思いつかなかった」
照れたように飛鳥が視線を逸らす。
心臓の音、飛鳥に聞こえてる気がする。