0センチの境界線


ハッとしたときにはもう遅かった。

動きかけた口を何とか方向転換しなきゃと俺が口走ったのは、なぜだか怪獣。

山之上さんはそんな俺の言葉にもちろんポカーンと口を開けてて。

やっちまったって思っても、言ってしまったことは取り消せない。




─────山之上さんはが怪獣みたいで、フリーズした
意味のわからない文章すぎて、自分で自分が恥ずかしくなる。


なんだよ。別に、方向転換なんてしなくて良かったじゃん。

思ったならそのまま言えばよかったんだよ。


山之上さんが可愛くて、フリーズしたって。

言えばいいのに、何を恥ずかしがってるわけ?

相変わらず心臓の早さは変わらない。
何にそんなにドキドキしてんの、俺。


< 283 / 288 >

この作品をシェア

pagetop