0センチの境界線


「か、いじゅう」



俺の言葉を反復するようにそうつぶやいた山之上さんは、百面相みたいに表情をコロコロ変えてる。

あー、なんかその顔も全部可愛いなって。

また性懲りもせず思った自分自身の気持ちを消そうと、頭をぶんぶんと振った時。

ちょうど次の授業のチャイムが教室中に鳴り響いた。








「おーい!ねえ!飛鳥ってば!おーい!」

「っあ、ごめん。なに?」

「はあ!?だーかーら!なんでわたしを怪獣って言ったの?って、」


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