0センチの境界線



「雛は怪獣だろ」

「なにが怪獣なのさ!」

「ちっこい怪獣。うるせえの」




女のコ扱いされてない。怪獣扱いされてる。

全然喜ばしくないけど、ほんの少しだけ嬉しい。





───うん、一緒に、帰るのは無理。今日は雛にふたりで帰ろって俺が誘ったから。




真っ直ぐな声で、真っ直ぐな瞳で、飛鳥はそう言った。

へへん。ポニーテール子ちゃんとフワフワ子ちゃん。ざまあみろ!



「なあ、雛」

「なに?」

「今日の夕飯ってなに?」

「知らない。あ、そっか。飛鳥はじめてりんねーの夜ご飯食べるのか」

「うん、チョットだけ楽しみ」



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