0センチの境界線


今日は朝から卵焼きが食べられて。りんねーに美味しいっていっぱい言って。

そしたらりんねーがニコニコ笑ってて。
うん、今日ってかなりいい日かもって、ルンルンだった。


なーんだ。飛鳥が同じ家に住んでようが、わたしの毎日って変わんないじゃん!ってすっごく気分良かったのに。



「飛鳥って、もしかして2日前くらいの記憶失くしたの?記憶喪失?」

「は?」

「だって、言ったじゃん!バレないように頑張ろうねって」

「俺はそれに同意した覚えない」



ツンツンツンツン。今日の飛鳥はそんな感じ。

多分朝ってのもあるけど、明らかにイライラしてる。

イライラしたいのはこっちだよ、意味わかんないよ。



「一緒の場所行くんだから、一緒に行けばいいだろ」



玄関先の壁によりかかって、少し視線を逸らして、飛鳥はそう言った。

朝日がキラキラしてて、そのせいなのか少しだけ飛鳥のこともキラキラ見える。




「………………良くない、すっごく良くないよ、飛鳥」

「は?今度は何?」



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