0センチの境界線
「飛鳥クン、ハナシテクダサイ」
「あー、どっかで鳥ないてんな。ピーチクパーチクうっせ」
「ピーチクパーチク!ピーチクパーチク!!」
「ピーチクパーチク言うな!うるせえよ!」
「飛鳥がピーチクパーチクって言うから言ってあげたのに!」
「うっざ」
「うっざいのは飛鳥だ!ピーチクパーチク!ピーチクパー……「駅まで」
「…………へ?」
飛鳥は、歩くのを辞めた。
それから、くるりってわたしの方を見て、ちょっとだけ視線を逸らす。
ポカンって口を開けてるわたしのこと、いつもだったら笑うのになんか今は真剣そう。
スクバはいつのまにか自由で、わたしの体も自由。
飛鳥とわたし。わたしにとってはいつもの通学路。飛鳥にとっては2回目の通学路。アスファルトの上。
向かい合って、変な感じ。
「………駅までなら、別にイイだろ」