0センチの境界線
あのあと、ご飯だよー!っていうりんねーの言葉で飛鳥と前田くんのご対面会(?)は終わりを告げた。
無事に飛鳥も住人全員と顔を合わせたみたいだし、唯一みんなが集まる水曜日の夜ご飯をルンルンで楽しく終えたはずだったのだけれど。
「…………あームカつく」
なんだか苛立ってる人物がひとり。
許可も得ず、お腹いっぱいで寛いでいたわたしの部屋に入った飛鳥は、そのまま更に許可も得ずさっきやりかけたテトリスのリモコンをとって。
飛鳥のテトリスを見守るわたし、っていう構図が出来上がった。
「ねえ、飛鳥。飛鳥ってテトリスのゲーム持ってなかった?」
「持ってるけど黙って」
「………いや、持ってるんかい!」
だったら自分の部屋でやってよ、というわたしの小さな抵抗は、飛鳥には届いてない。
わたしのテトリス、そんな特別仕様じゃないんだけどな。