0センチの境界線
「なあ、雛」
「んー」
カチカチカチカチ。コントローラーのボタンの音が鳴り響く部屋で。
飛鳥のことなんか居ないものだとして、YouTubeでも見ようとベットに寝っ転がったわたしは、適当に相槌をうつ。
「お前ってさ、誰でも部屋入れるの?」
「んー」
「聞いてる?」
「んー」
「…聞いてんのって!」
「ん…………っ…!?」
ほいって、いとも簡単に取り上げられたわたしのスマホは、飛鳥の手で容赦なく電源を切られる。
「あ、ちょっと!人のスマホとんないでよ」
「人の話聞けよ!」