0センチの境界線


呆れた顔。呆れた声。

見下すみたいにわたしのそばに立つ飛鳥がムカついて。


抗議しようとベットから立ち上がった、瞬間。



「……ひゃっ………」



ぐるり、と。視界が回った。

気づいたら、背中が柔らかくて、ふわふわして、それで、甘い匂い。



「………やっぱ雛ちっさ」





────飛鳥がわたしの上に覆いかぶさってる?



情報処理が追いつかなくて、頭の中でギブアップって誰かが言った。

飛鳥のおっきな手が、わたしの両手を、わたしの頭の上で、拘束してる。

天井が見えなくて、目の前は飛鳥でいっぱい。




ギシッて、ひとり用のベットが悲鳴をあげて。

似合わないテトリスの音楽が耳に入る。



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