0センチの境界線
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あれは多分、1年生の夏休み前だった。
琴音ともだいぶ打ち解けてきて、恋バナなんかするようになったそんな頃。
「絶対、宮くん雛のことすきだと思うんだよね」
いつもと同じお昼ご飯。ちょっとだけソワソワした。
琴音がニヤニヤってして、わたしのことつつくの。
チラリって飛鳥のこと見たら、飛鳥もこっち見てて。
青春って感じのそんなヤツ。
「だって、宮くん、雛のことだけ呼び捨てじゃん」
やめてよ、違うよ、って口では言うのに、心ではそんな言葉を否定する。
矛盾だらけのそんな日々。