0センチの境界線
───わたしは自惚れていた。
学年イチのモテ男で、漫画のキャラみたいにかっこよくて。
そんな飛鳥がわたしだけ相手してくれるから。
あの日のわたしは自惚れていたんだ。
だから、あんな間違いを起こしそうになったんだ。
その日の夕方。教室で飛鳥とふたりきり。
どうしてそうなったかわかんないけど。
真っ赤な夕日が窓から差し込んでたことは、鮮明に覚えてる。
「飛鳥、」
「なに?」
むずがゆくて、心地よかった。
すきっていったら、すきって返してくれそうな、そんな空気。
「あのさ、」
「うん、」