0センチの境界線
ジリリリリリリリリリリ。
朝を告げる目覚ましで、夢の中から覚める。
「………嫌な夢」
封印したハズの過去の話が、夢にまででてきた。
これは絶対に昨日の飛鳥のヘンな行動のせいだ。
───知らねー男、部屋にあげるってどういうこと?
頭を何回ブンブン振っても、昨日の飛鳥が消えてくれない。
意味わかんないよ。ほんとに飛鳥は意味わかんない。
そんなセリフ、わたしに言う必要ないじゃん。
山之上雛は怪獣だから、女のコ扱いしないって、それ飛鳥が始めたことじゃん。
「飛鳥嫌い、大っ嫌い」
頭ん中、全部否定したい。
こんな感情、いらない。