0センチの境界線


昨日の飛鳥はおかしかった。だから、わたしもおかしくなった。

全ての元凶は頭の悪い飛鳥だ。



飛鳥がわたしの上にいて。飛鳥のおっきな手がシーツをくしゃってして。

「ごめん、なんでもない」って、なんでもあるような顔して飛鳥が言って。

やり掛けのテトリスを残したまま。わたしの気持ちを無視したまま。

飛鳥は部屋から出ていった。




飛鳥がベットに乗ったのなんて一瞬。

わたしの上に飛鳥がいたのも一瞬。

それなのに、いつも寝てたはずのベットが、全然居心地良くない。



< 58 / 288 >

この作品をシェア

pagetop