0センチの境界線
グキーーーーって。
もしかしたら、みんなに聞こえたんじゃないか?ってくらいに大きな音が右足首から鳴る。
激痛。覚えのある痛み。
冷静などこかの自分が、あ、やっちまったって笑ってる。
「ちょ、!?雛!?い、今、足、!?」
琴音がすんごい顔してわたしの肩を揺らした。
そりゃ立ち上がろうとしたわたしが足変な方にやっちゃって、もいっかい座ったらそんな顔にもなるか。
「ひななん!?ごめん、足見るからね」
すぐさまわたしのジャージのズボンを捲って、足首を見始めるなぎちゃん。
なぎちゃん、さすがバスケ部エース。手慣れてる………。
って、そんなこと考えてる場合じゃない。
「…………ありゃ、」
「凪紗、どうなの!?」
琴音が誰よりもおっきい声出してる。
そのせいでみんながこっち見てて。
もちろん体育の授業(バレーの試合)は中断。
うわ、ちょっと恥ずかしいんだけど………。