0センチの境界線
「こ、琴音。声大きい………」
「はあ!?怪我人が言うセリフ!?」
「うっ、ゴメンなさい」
肝っ玉母ちゃん気質の琴音が爆発中。
わたしがなにか言い返したら全部論破されそう。
「ひななん。たぶん捻挫。保健室だねー」
「えっ、骨折れてないの!?こんなに痛いのに!?」
「………あのね、ひななん。骨折れてたら話す余裕ないよ?」
なぎちゃんが、呆れてる。
ちょっと恥ずかしい。
「先生、わたしたち連れて行きます」
琴音が凛とした声で先生に告げる。
先生も止める理由なんてないから、お願いなってそう言って、野次馬になったみんなを元の授業へと戻す────はずだった。
「青木、森!ごめん、雛は俺が連れてく」
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「バカ!飛鳥バカ!降ろしてよ!」
「うるせえよ!バタバタすんなよ、バカ雛!」