0センチの境界線
ば、バカってまた言った!?
キッて睨むように飛鳥を見れば、あまりの近さに逆に顔を逸らすことになった。
………バカバカバカ!飛鳥のバカ!
せっかくわたしが避けてたのに、なんで近づいてくるの?
昨日の記憶飛んだの?やっぱ飛鳥って記憶喪失なの?
「ってか、ねえ、なんで、ここ、こ、こんな、」
「お姫様抱っこでいちいち騒ぐな」
「なっ……………!?」
琴音となぎちゃんの肩を借りて、けんけんしながら保健室行こうと思ってたのに。
横から飛鳥が割って入って、ひょいってわたしを持ち上げて。
意味わかんない。わかんなくてわかんないよ!
「肩、肩貸してくれればいいじゃ、」
「俺と雛の身長差知ってるわけ?どうやって肩貸すの?」
「うっ………」
デカ男。無駄にデカい、デカすぎ!
わたしはもう少し背が低くて、少年みたいなかわいい感じの男の子のがタイプなんだもん。聞かれてないけど。