0センチの境界線
「飛鳥とわたし、友達だもん」
俺がお前のこの言葉に、どんだけ苛立ってるか。伝わればいーのにな。
■□■
帰り道。
2人分の荷物を持った俺は、かなり不機嫌だった。
「あのさ、やっぱり俺が雛をおんぶすればよくない?」
「なっ、バカなの!?やっぱり飛鳥はバカだ!」
足痛えくせに減らねえ口。
俺の腕にしがみついて、よろよろびっこ引きながら歩く雛は、いつもと違ってむちゃくちゃ遅い。
だけど、俺によりかかってるって言うのは、少しいい気分。
「………部活ってこんなに夜遅くまでやってるんだね」
「ああ。つまり、俺の部活が終わる時間まで保健室で眠ってた雛って相当すげぇよな」
「ソ、ソーデスネ………」