0センチの境界線
「……雛の現実は、俺だから」
「ふぇっ?」
マヌケな顔した雛が、ちっせえ口をポカンって開けてる。
いいよ、今は意味わかんなくても。これからわからせるから。
─────なあ、お前知らねえだろ。
チビで、幼児体型中の幼児体型で、髪は栗色のボブで、年下みたいなそんなやつのこと。
タイプと真反対のやつのこと。
俺が好きで好きで仕方がないって。
初めて会った瞬間から。多分、雛は特別だった。
失礼なやつって目離せなくなったのも、必然だった。