0センチの境界線
そりゃ、こんな自分。
自分でも意味わからなさすぎて、夏の暑さにやられた俺は過ちっていうか、ちょうど告白してきたドタイプの先輩と付き合ったけど。
夏休みも終わらないうちに別れた。
もうさ、タイプとか雛の前ではどーでもいいの。
そーゆーの早くわかってくんない?バカ雛。
誰よりもいちばんすき。
俺のことで頭いっぱいになって欲しい。
単身赴任の父さんに母さんが着いてくってのに、俺がココに残った理由。
全部お前なんだからな。
まだ振り向かせてないのに、雛から離れるのなんて、ぜってえ嫌だったんだよ。
寮に雛が居たときは驚いたけど、むちゃくちゃ嬉しかった。
寮でひとり暮らしって聞いてたから、ルームシェアのココにまさか居るなんて思うわけないし。
「明日から治るまで。登校一緒にするからな」
「えっ!?いや、それは、」
「怪我人は黙ってくんない?」
せっかく一緒のとこいんのに。ひとりで行かせるわけないじゃん。
駅までの道も、電車の中も。
俺がいないと寂しいって思うまで、隣に立っててやるつもりだから。
覚悟しろよ、バカ雛。