0センチの境界線
「あら〜久しぶりに元気だね」
「はい!もう完璧です!」
キュッキュッと、ハシ先輩の前で足首をくるくるしてみるけれど。
全然痛くない。これはもう完治だ!
「雛くん、あんまり動きすぎないようにね?治ったばかりなんだから、」
「ヤマさんのおかげです!ありがとうございます」
ヤマさんは、実はスーパードクター!じゃなくて。塾の先生。
ちなみに、わたしたちの寮は3階建てで1階は吹き抜け。
1階が共有スペース。2階がみんなの部屋。3階がヤマさんの家プラス塾。
3階には外階段からしか入れなくて、たまに家に帰ると元気な小学生とか生意気な中学生に会う。
つまり、何が言いたいかっていうとヤマさんは、何でも屋なのである。
怪我のこととか、簡単なことなら全部知ってて手当してくれる。
塾の先生って色んなこと知ってるんだなって前にりんねーに言ったら、それとこれとはなんか別だよって笑われた。