0センチの境界線


「………………気が向いたら言います」


いくらヤマさんの願いだからといって、実行できるものとできないものがある。

飛鳥にお礼を言うことは、わたしにとってはちょっとハードル高め案件だ。



「雛ちゃん?5号室くんが部活から帰ってきたら、言ってあげなよ〜?」



ハシ先輩までニヤニヤしちゃって。

みんなして、わたしが困るの絶対楽しんでるんだ。意地悪だ!




■□■



飛鳥の部屋で。飛鳥とふたり。

時間は7時。夕ご飯のあと。



「……………………」

「……………………いや、なに。怖いんだけど」



ふたりになって多分5分くらいたった。いや、実は8分かも。



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