0センチの境界線


「あの、」

「うん、」



飛鳥のうん、って返事。
少しだけすき。安心する。これは友達としてのすき。



「足が治りました」

「あー、捻挫?おめでと」



感情のこもってないおめでと、だった。

なんだよ、そんなにわたしが怪我人だと嬉しかったのかよ。



「それで、それ言いに来たわけ?
………んだよ、部屋の前でモジモジして待ってっから、何かと思ったじゃねえか、」



も、モジモジ!?そんなことしてないよ!?

飛鳥の発言が突飛すぎて、下を見ていたわたしの顔がぐりんって上─────飛鳥の方を向く。



「なに?変顔?」

「へんっ、してない!バカなの!?」

「変な顔してたからそのまま言っただけだけど」



……………うっっっっっざい!!!

なんか、今日の飛鳥、すんごいウザイ!!
言葉がトゲトゲしてるし、喧嘩売られてるし。


ハシ先輩!ヤマさん!

お礼言いに来たはずなのに、こんな飛鳥にお礼なんて言いたくないって気持ちが膨らんでいきます!


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