0センチの境界線
言わなきゃ。女に二言はないだろ、山之上雛!
それに、来たのに言わずに帰るとか、負けたみたいですごく嫌。
わたしは、飛鳥になんか負けないんだから。
「借りを!!!!」
ぴしって、真っ直ぐに手を挙げた。
なんとか飛鳥の行動を止めるために起こしたアクションだったわけだけど。
狙い通りにわたしをズルズル引きずって連れてこうとしてた飛鳥の足は止まった。
お巡りさん!
横断歩道手を上げる理由わかったよ。
こんなやつでも止まるんだからそりゃ車も止まるよね!
「…………借りを?」