0センチの境界線


いつか、使いたくなった時に、わたしを顎で使いたいから。

そういう理由って言ってたけど。

それって全然解決になってない。



「わたし、いつ何時借りを返せって言われるのが嫌で、飛鳥にお願い聞くって言ったのに、2つ目は保留って、それ、意味なくない?」

「へえ、バカ雛にしては頭使ったじゃん」

「…………うっっっっざ!」



ウザイ。ほんとにウザイ。

わたしが嫌がることをするのを仕事にでもしてるのかってくらいにウザイ。



「あら〜?5号室くんと雛ちゃん、足治っても一緒に行くんだね〜?」



ふふふって、ちょうど現れたハシ先輩が笑う。

ちょっとだけ、恥ずかしい気分。


< 96 / 288 >

この作品をシェア

pagetop