本日、総支配人に所有されました。~甘い毒牙からは逃げられない~
「気を付けなくても大丈夫だよ。バトラーとしてご指名なのは一颯君だから。サブが俺、ね」
「いぶ…、いや、支配人が?」
「そうだよ。本店からずっとそうなんだけど…一条様って基本的に一颯君を指名出来ない時は泊まりに来ない」
「そんな事がOKなんですか?」
「OKも何も、お客様の御要望だから仕方ないんじゃないの?一颯君が支配人だろうが、何だろうが、一条様は関係なく指名してくるから」
そんな我儘が曲がり通るなんて、一条様ってどんな方なのだろう?お名前からしてセレブっぽいけどね。話を聞いていると性格もキツそうな予感……。高見沢さんも性格は難アリだけれど顔は綺麗だからなぁ。一条様は美男子好きなのか!一颯さんも高見沢さんも傍に置いときたいだなんて、ただの美男子好きの我儘じゃないの?
「……何をそんなに難しい顔してるの?そんなに気になる?一颯君と一条様の事…」
「はい、気になります!」
「何で?」
「何でって言われましても…」
高見沢さんは私達の関係は知らないから、深追いはしてはいけなかったのに……つい、してしまった。何で?と言われても答える事は出来ない。
「あんたがさぁ、一颯君に興味を持つのは良いけど…、後々、色恋沙汰で俺に迷惑かけるのはやめてよ!エグゼクティブフロアに居るバトラーの人数が減るとね、俺に負担がかかるからね。振られて辞めるとかナシだからね!あんたみたいのでも、少しは役に立つんだから!」
「………はい、すみません」
貶されているのか、褒められているのか。とにかく、凄い剣幕で責めるように言われて圧倒されてしまった。確かに人手不足だから一人でもかけたら大変なのは分かるけれど、こんな私でも高見沢さんに本の僅かでも頼りにされているのは嬉しかった。
「……クリスマスだからね、ロイヤルスイートも全部埋まってて篠宮さんも帰りが遅くなると思うよ。前回みたいな事にはならないようにするから」
「はい、頑張ります!」
「あんたは本当に返事だけはいーよね、呆れるぐらい…」
高見沢さんは苦笑いをして、私を見ていた。
ロイヤルスイートルームも全室埋まっているとしたら、待機時間には一颯さんと一緒に居られる時間があるかもしれない。そう思ったら、クリスマスが楽しみになった。それなのに、人生は上手く行かないものだった───……
「いぶ…、いや、支配人が?」
「そうだよ。本店からずっとそうなんだけど…一条様って基本的に一颯君を指名出来ない時は泊まりに来ない」
「そんな事がOKなんですか?」
「OKも何も、お客様の御要望だから仕方ないんじゃないの?一颯君が支配人だろうが、何だろうが、一条様は関係なく指名してくるから」
そんな我儘が曲がり通るなんて、一条様ってどんな方なのだろう?お名前からしてセレブっぽいけどね。話を聞いていると性格もキツそうな予感……。高見沢さんも性格は難アリだけれど顔は綺麗だからなぁ。一条様は美男子好きなのか!一颯さんも高見沢さんも傍に置いときたいだなんて、ただの美男子好きの我儘じゃないの?
「……何をそんなに難しい顔してるの?そんなに気になる?一颯君と一条様の事…」
「はい、気になります!」
「何で?」
「何でって言われましても…」
高見沢さんは私達の関係は知らないから、深追いはしてはいけなかったのに……つい、してしまった。何で?と言われても答える事は出来ない。
「あんたがさぁ、一颯君に興味を持つのは良いけど…、後々、色恋沙汰で俺に迷惑かけるのはやめてよ!エグゼクティブフロアに居るバトラーの人数が減るとね、俺に負担がかかるからね。振られて辞めるとかナシだからね!あんたみたいのでも、少しは役に立つんだから!」
「………はい、すみません」
貶されているのか、褒められているのか。とにかく、凄い剣幕で責めるように言われて圧倒されてしまった。確かに人手不足だから一人でもかけたら大変なのは分かるけれど、こんな私でも高見沢さんに本の僅かでも頼りにされているのは嬉しかった。
「……クリスマスだからね、ロイヤルスイートも全部埋まってて篠宮さんも帰りが遅くなると思うよ。前回みたいな事にはならないようにするから」
「はい、頑張ります!」
「あんたは本当に返事だけはいーよね、呆れるぐらい…」
高見沢さんは苦笑いをして、私を見ていた。
ロイヤルスイートルームも全室埋まっているとしたら、待機時間には一颯さんと一緒に居られる時間があるかもしれない。そう思ったら、クリスマスが楽しみになった。それなのに、人生は上手く行かないものだった───……