本日、総支配人に所有されました。~甘い毒牙からは逃げられない~
上から見下ろされ、目を合わせる事が出来ずに右横を見て返事をすると…無理矢理に上を向かされて、唇が重なり、舌が絡み合う長いキスをする。

「…ほら、そーゆー無防備な顔を社内で見せるなよ」

長いキスの後、トロトロに蕩けてしまいそうな位に熱を帯びている私にむけて、からかうように言い、フワリと抱き抱えてベッドまで移動する。

「……部屋に来たって事は覚悟出来てるんだろ?…先に言っとくが、途中で中断する気はないからな」

コクン、と静かに頷く。

とてつもなく緊張する。

自分の胸の前でキュッと拳を握り、覚悟を決める。

「…恵里奈、愛してる」

「…私も好きです」

初めて名前を呼ばれて、おでこにキスをされた事が何だか、くすぐったく感じる。

「恵里奈も名前で呼んでみて?」

「…っ、い、ぶき…さんっ」

見下ろされ、直視されている中での初めての名前呼びは恥ずかし過ぎて、顔を両手で覆った。

「…不合格だけど、まぁ、いっか。今から嫌でも名前呼ばせてやるし…な?」

久しぶりに見た不敵な笑みと艶っぽい流し目に完全に蕩けてしまいそう。
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