あなたの名前を呼びたい〜声を失った歌い手〜
「こら!廊下は走らない。何かいいことでもあった?」
あたしに優しく笑いかけ、伊久巳さんは頭を撫でてくれる。言いたい。言いたい。言いたい!
「伊久巳さん、おかえりなさい」
あたしがそう言うと、伊久巳さんは驚いた目をした。あたしは続いて「支えてくれてありがとう」と伝える。伊久巳さんの瞳に涙が浮かんだ。
「声……出るようになったんだね」
「はい!伊久巳さんのおかげです」
あたしは笑い、伊久巳さんに抱き締めた。伊久巳さんはあたしの耳元で「歌って?」と囁く。
あたしはコクリと頷き、伊久巳さんに感謝を伝えるために息を吸う。歌うのも一年ぶりだ。でも、この日のためにこの歌を何度も聴いていた。
言いたい感情は 伝えたい感情は
たった一つだけ
ありがとう
歌いながら、あたしは泣いてしまっていた。伊久巳さんも泣きながらあたしにキスを落とす。やっとあなたの名前を言えた、感謝を伝えられた。歌を……もう一度歌えた。
「一緒に歌おう」
伊久巳さんの言葉に、あたしは「はい」と頷き笑った。
あたしに優しく笑いかけ、伊久巳さんは頭を撫でてくれる。言いたい。言いたい。言いたい!
「伊久巳さん、おかえりなさい」
あたしがそう言うと、伊久巳さんは驚いた目をした。あたしは続いて「支えてくれてありがとう」と伝える。伊久巳さんの瞳に涙が浮かんだ。
「声……出るようになったんだね」
「はい!伊久巳さんのおかげです」
あたしは笑い、伊久巳さんに抱き締めた。伊久巳さんはあたしの耳元で「歌って?」と囁く。
あたしはコクリと頷き、伊久巳さんに感謝を伝えるために息を吸う。歌うのも一年ぶりだ。でも、この日のためにこの歌を何度も聴いていた。
言いたい感情は 伝えたい感情は
たった一つだけ
ありがとう
歌いながら、あたしは泣いてしまっていた。伊久巳さんも泣きながらあたしにキスを落とす。やっとあなたの名前を言えた、感謝を伝えられた。歌を……もう一度歌えた。
「一緒に歌おう」
伊久巳さんの言葉に、あたしは「はい」と頷き笑った。