仮面花嫁~極上社長は偽り妻を乱したい~

いただきますと言って一本だけシュガーを入れていると、隼がそっと自分のシュガーを優莉に手渡した。隼はブラックだから必要ないだろうが、さり気ない優しさがうれしい。


「ありがとうございます」


優莉が小さな声でお礼を言うと、隼は軽く手だけひらりと振って答えた。


「それで優莉さんは、隼のどこに惹かれたの」


そんなところはないだろうと冗談めかして亮介が聞く。仲のいい友達ならではだ。


「えっとそうですね……意外と優しいところです」
「おい、意外とってなんだよ」


隣から茶々が入る。隼は肘で優しく優莉を小突いた。


「あ、ごめんなさい」


うっかり正直に言ってしまい素直に謝る。


「でも、本当に優しいなって」

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