仮面花嫁~極上社長は偽り妻を乱したい~
冗談を言ってからかったりするが、それは優莉の気持ちを解すためだったり元気づけたりするためだったりする。最初はそれに気づかず、単に意地悪なだけだと思っていたけれど。
「隼さん、優しいわよね」
「まぁ、乱暴というかノリが軽いというか、そういった面はあるけど優しいは優しいな」
里帆と亮介が顔を見合わせて笑う。亮介の膝に抱かれている美織も、ふたりの顔を交互に見た。
「なんだよ、褒められてるのか、けなされてるのかわかんないだろ」
悪態をつきながら隼もまんざらでもなさそうだ。少し照れ臭そうに鼻の下をこする。
「ほかになにかないのか? もっとガツンとハートに響くような」
「そう言われても」
もっと褒めろとばかりに隼が催促する。
「ほら、なにかあるだろう? 頼りがいがあって、ついでに包容力もあって紳士的だとか。大人の男の魅力にあふれてるとか」
「隼、自分で言ってちゃ世話ないな」