仮面花嫁~極上社長は偽り妻を乱したい~


「社内メールのアカウントや社内LANの設定もできてるから、そのまま使えると思うの。ちょっと開いて確認してもらえる?」
「はい」


春香の指示に従いメールファイルを開くと、初期画面に〝花崎優莉〟ときちんと表示された。


「あ、出ました」
「出たね。それじゃ次は公開フォルダにアクセスしてみて」


春香はノートパソコン画面にあるアイコンを指差した。
指示通りにクリックすると、そちらも難なく開く。


「大丈夫みたいです」
「だね。ではまず、うちの部署がどういった仕事をしているのかの説明から入らせてもらうね」


入社一年目の優莉は本社の仕事を今ひとつ理解できていないから、それはとてもありがたい。人事や総務、経理といった一般的な部署ならなんとなく想像もできるが、レストラン事業部となると店舗に深く関わるのだろうなという程度だ。

春香の説明をおおざっぱにまとめると、レストラン事業部は店舗の業績をチェックするのはもちろん、出店の際のマーケットリサーチや立地などの開発も手掛けているという。

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