仮面花嫁~極上社長は偽り妻を乱したい~
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その日の退勤間際、優莉のスマートフォンのアプリに隼からメッセージが届いた。
誰かに見られるわけでもないのに、ついこそこそと画面をタップしてメッセージを表示させる。すると書かれていたのは【今夜はデート】とひと言だけ。それを見て優莉の気持ちが一気に落ち込む。
きっとチョコレートをくれた女性とデートをするのだろう。だから食事の準備は必要ないと。
優莉は悲しんでいるのを悟られないように、両手で大きく丸を作ってにっこり笑っているウサギのスタンプを押した。
するとすぐに既読になり、再びメッセージが送られてくる。
【仕事が終わったら、会社を出てしばらく行った先にある郵便局の前で待ってて】
【誰がですか?】
そう返信する。もしかしたら隼は送る相手を間違えているのではないか。
【誰ってキミだよ。優莉】
【え、だってデートって】
【だから優莉とデートだって言ってるだろう】
「えっ!?」