仮面花嫁~極上社長は偽り妻を乱したい~
突然のキスに驚き、じたばたもがいていたのは最初だけ。すぐに頭がポーッとしてくる。擦り合わせていた唇を食まれ、息を吸い損ねた優莉が酸素を取り込もうと薄く口を開いた隙に隼の舌が入ってきた。
ぬるりとしたはじめての感触にびっくりして舌を奥へ引っ込め、どうしたらいいのかわからず逃げ惑う。口の中を荒々しく動く隼の舌が、ものすごく熱い。
隼から想いを告げられ、キスをしている現実に胸は激しく高鳴り、頭はクラクラだ。
そのうち逃げているのも限界となり、隼に舌を絡め取られた。
「んん……」
彼の熱が伝染して、優莉の体温と溶け合っていく。なにも考えられず、ただ隼の舌の動きに懸命に合わせるだけ。彼のワイシャツをぎゅっと掴むと、隼はよりいっそう強く優莉を抱きしめた。
最後に軽く音を立てて離れた隼が、優莉の唇を親指でそっと拭う。肩を上下させながら息を弾ませる優莉を見て、隼は愛おしそうに微笑んだ。
「優莉、予定を変更したい」
「……予定?」