仮面花嫁~極上社長は偽り妻を乱したい~

首を傾げる優莉の頬に隼は指先で触れた。とても優しいタッチで、それだけで胸の奥が切なくなる。


「隣に寝るだけでいいって言ったけど、やっぱり優莉を抱きたい」
「あの……それはその……」


ストレートに言われて、すでに熱をもっていた頬がさらに赤くなる。
自分もそうしてほしいと思っていると気づき、恥ずかしさと愛しさが込み上げた。


「優莉?」
「……はい」
「いい?」


その目を見ていられず、逸らしてからコクンとうなずく。瞬間、隼に引き寄せられ、腕の中に抱きしめられた。


「ほんとにまいったな。かわいくて仕方がない」


彼の言動のひとつひとつが優莉を翻弄して、激しく揺り動かす。胸がいっぱいで隼以外になにも考えられない。


「それじゃ、先にシャワーを浴びておいで」

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