仮面花嫁~極上社長は偽り妻を乱したい~
なんとか落ち着かせた鼓動が再び異常な音を刻みはじめる。
「なんで正座?」
クスクス笑いながら隼がベッドに腰を下ろす。
「緊張しちゃって」
「そんなに硬くならなくて大丈夫だよ」
「でも、その……私、はじめてなんです」
隼のような大人の男だったら、失望するかもしれない。処女なんて面倒だと。とんでもない女に深入りしてしまったと。
「わかってるよ。さっきの初々しい反応を見ていればね」
なんとキスだけでバレているという。なんとか必死に応じていたが、隼にはお見通しだったようだ。
「恥ずかしい……」
優莉が両手で顔を覆うと、隼はその手をそっと取った。