仮面花嫁~極上社長は偽り妻を乱したい~


「優莉は体、大丈夫か? ちょっと無理させたから」
「……大丈夫です」


あるのは下腹部の鈍痛だけ。ほかはなんの問題もない。


「なら、チェックアウトの前にもう一度する?」
「えっ」


隼が「冗談だ、冗談」といたずらっぽく笑うのと、優莉が「隼さんがしたいなら……」とボソッと答えるのが同時になる。
優莉は急いで目を逸らして毛布をぎゅっと握りしめた。


「あぁもう、なんでそんなかわいいんだよ」


隼にぐいと引き寄せられ、腕の中に閉じ込められる。


「本気でしたいけど、昨夜は優莉に無理させたから今は我慢するよ。あと少しでチェックアウトの時間だしね」


ベッドサイドの時計は間もなく十時半を示している。夜遅くまで隼と体を重ねていたため、すっかり寝坊だ。少しがっかりした自分のいやらしさが恥ずかしい。

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